プロップトレーダーとは?なり方や必要なスキルを解説 

プロップトレーダーとは?なり方や必要なスキルを解説 

トレードで生計を立てたい方やトレーダーを目指す方なら、プロップトレーダーやプロップファームという言葉を聞いたことがあるでしょう。日本ではまだ認知度が低い職業ですが、金融の専門職であるプロップトレーダーには活躍の場が広がっています。この記事では、プロップトレーダーとは何か、なり方や求められるスキル、そして使われる取引戦略について説明します。 

目次

プロップトレーダーとは?

プロップトレーダーとは、プロップファームに所属するトレーダーのことで、プロップディーラーともよばれます。広い意味では、金融機関にて自己勘定取引で利益を狙うトレーダーもプロップトレーダーに含まれます。つまり、プロップトレーダーとは、会社の資金を利用して取引を行うことで利益を最大化する職業といえます。 

ここでは説明をシンプルにするため、プロップファームに限定にして解説を進めます。プロップトレーダーはプロップファームの資金でトレードしており、運用を通じて資金を最大化することを目的とします。 

プロップファームは完全に自己資金でトレードを行っています。ですので、個人のトレーダーとの大きな違いは、会社の資金を利用してトレードを行っているという点にあります。プロップトレーダーは、債券、通貨、商品先物、デリバティブ、株価指数、株式など、さまざまな銘柄を取引対象にすることができます。 

海外のプロップトレーディング業界は、特に独立系プロップファームや個人トレーダー向けのファームが成長を続けており、トレーダーにとっては魅力的なキャリアパスを提供しています。欧米ではすでに多くの人々がプロップトレーダーとして活躍しており、その影響もあって最近では日本でも関心が高まっているポジションです。 

プロップトレーダーに求められるスキル 

プロップトレーダーになるには、学歴やキャリアなどはあまり必要とされません。安定して稼ぐトレードスキルがあれば、プロップファームのトレーダーになれる可能性があります。 
また、プロップトレーダーとして取引する場合でも、個人トレーダーとして成功するためのスキルが必要です。具体的には、長期的に利益を上げるトレード手法、メンタル管理能力、そして優れた資金管理が求められます。 

長期的に利益を上げるトレード手法 

FXや株式のトレードでは、将来の価格を予測し、その予測に基づいて取引を行う必要があります。プロップトレーダーとしてまず必要なのは、長期的に利益を生み出せるトレード手法を持っていることです。 そのため、テクニカル分析やファンダメンタル分析を組み合わせた市場分析力、そしてリスク管理能力が重要になってきます。 
個人トレーダーの場合、試行錯誤を重ねながらトレード手法を作り上げても問題はありません。しかし、プロップトレーダーはプロップファームの資金を使ってトレードを行うため、安定した運用益を確保する責任を負っています。 

メンタル管理 

優れたメンタル管理や心理的な強さも欠かせません。市場は常に変動しており、感情に流されず冷静に判断する能力が求められます。プロップファームは、ギャンブル的なトレードを行う人ではなく、一貫したルールに則って安定した運用ができるトレーダーを求めています。直近のトレード結果に一喜一憂せず、淡々と次のトレードチャンスを狙う感情コントロール能力と忍耐力が必要になってきます。 
多くのトレーダーはトレード日記をつけており、トレード内容を分析し、自身のスキルを高めています。このように、ストレス管理や自己制御スキルを磨くことで、長期的に安定したパフォーマンスを維持することが可能になります。   

優れた資金管理 

トレードでは、資金管理能力も非常に重要なスキルです。特にプロップトレーダーは、個人の資金ではなく会社の資金を運用する立場にあるため、一つのミスが大きな影響を及ぼす可能性があります。ですので、リスクとリターンを正確に計算しながら、会社が定めたルールやリスク管理方針を厳守することが求められます。損失を埋めようとして無謀な取引を行うようでは、プロップトレーダーとして成功することは難しいでしょう。初心者的な失敗を避け、徹底的に資金をコントロールすることがプロップトレーダーの基本であり不可欠な条件であると言えます。 

プロップトレーダーが用いる分析手法 

プロップトレーダーは、資金を運用するために様々な分析手法を用いますが、特にファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の2つが重要です。これらの分析手法は、相場の動向を予測するための異なるアプローチを提供します。 

ファンダメンタルズ分析 

ファンダメンタルズ分析は、経済や企業の基本的な状況をもとに、相場や株式の価値を評価する方法です。経済指標や企業の業績、政治的な要因など相場に影響を与える基本的な要素を分析します。 
この手法では、経済成長率、失業率、金利、インフレ率、企業の財務状況などのデータが重要になってきます。これらの情報を使って、企業の収益力や成長性を評価し、株価が適正かどうかを判断します。これにより、投資家は長期的な投資戦略を立てることができます。 

テクニカル分析 

テクニカル分析とは、過去の価格データや取引量を基にして、将来の価格動向を予測する手法です。トレーダーはチャートを用いて価格の動きやパターンを視覚的に分析し、トレンドやサポート・レジスタンスラインを特定します。これにより、買い時や売り時を判断するためのサインを見つけることができます。 
テクニカル分析には、移動平均線やMACDなど、さまざまな分析手法があります。しかし、どれが最も優れているかという明確な答えはありません。そのため、自分に合った分析手法を見つけ、それを徹底的に磨き上げることが重要です。 

プロップトレードで使われる戦略 

プロップトレーダーが用いる取引戦略は、大きく分けて裁量トレードとシステムトレードの2つに分類できます。 

裁量トレード 

裁量トレードは、トレーダー自身が市場の動向を分析し、売買の判断を行う手法です。この方法では、トレーダーの経験や直感が重要な役割を果たします。裁量トレードのメリットは、相場の急変動に柔軟に対応できる点ですが、感情に流されやすいというデメリットもあります。裁量トレードは、特に短期的な取引やニュースに基づく取引において効果的です。 

システムトレード

システムトレードは、事前に設定したルールに基づいて自動的に取引を行う手法です。トレーダーは、特定の条件が満たされたときに自動的に売買が行われるようにプログラムを設定します。これにより、感情を排除し、規律を持った取引が可能になります。システムトレードは、特に長期的な投資戦略やバックテストを行う際に有効です。 

プロップトレーダーの年収  

プロップトレーダーの年収は、個人のスキルや経験、取引成果によって大きく異なります。多くのプロップトレーダーは歩合制の報酬体系を採用しており、成果に応じて報酬が決まるため、高いトレードスキルを持つトレーダーは年収数千万円以上を目指すことが可能です。年収の幅はおよそ550万円から1億円以上と広く、特に成功したトレーダーは数千万円から億単位の収入を得ることも珍しくありません。 
また、プロップファームによっては、採用初期に契約社員として固定給与を支払う場合もありますが、その後は成果に基づいた報酬体系に移行します。プロップトレーダーの収入は市場の状況や個々の能力に大きく依存しますが、大規模な資金を運用するトレーダーにとっては相応のリターンが期待でき、非常に魅力的な職業と言えるでしょう。 

プロップトレーダーのメリット 

プロップトレーダーとして働く最大のメリットは、自己資金を使わずにファームの資金で取引を行えるため、個人のリスクが大幅に軽減される点です。損失が出た場合でも、その負担はファームが引き受けるため、リスクを最小限に抑えつつ取引に集中できます。 
また、多くのプロップファームでは高い成果報酬制度が採用されており、個人投資家に比べて非常に魅力的な収益機会を提供します。さらに、教育プログラムやメンターシップを通じてスキルを磨く環境が整っているうえ、最新の取引ツールや情報が利用できるため、効率的かつ効果的にトレードを行えるのも大きな利点です。  

プロップトレーダーのメリット 

プロップトレーダーとして働く最大のメリットは、自己資金を使わずにファームの資金で取引を行えるため、個人のリスクが大幅に軽減される点です。損失が出た場合でも、その負担はファームが引き受けるため、リスクを最小限に抑えつつ取引に集中できます。 
また、多くのプロップファームでは高い成果報酬制度が採用されており、個人投資家に比べて非常に魅力的な収益機会を提供します。さらに、教育プログラムやメンターシップを通じてスキルを磨く環境が整っているうえ、最新の取引ツールや情報が利用できるため、効率的かつ効果的にトレードを行えるのも大きな利点です。  

プロップトレーダーになるには? 

プロップトレーダーになるための主なオプションには、金融機関での勤務とプロップファームでの就職の2つのルートがあります。まず、金融機関に就職して投資部門に配属される方法です。銀行や証券会社などの金融機関には、自己勘定(会社の資金)で取引を行う部署が存在しており、その部署に配属されればプロップトレーダーとして働くことができます。しかし、これらの金融機関は人気の就職先であり、基本的には新卒での採用や同様の業種からの転職が主な採用ルートです。したがって、他業種から直接投資部門に転職するのは非常に難しい現実があります

もう一つの方法は、プロップファームに就職することです。多くのプロップファームではトレーダーを募集しており、応募する際には過去の取引成績やトレードスキルを示す必要があります。特に、収益性、リスク管理能力、安定したトレード実績が重視され、経験者は過去の成功実績を明確に示すことで、採用の可能性を高めることができます。また、プロップファームでは試験やデモトレードを通じてトレーダーの能力を評価することが多いです。この評価に合格すれば、プロップトレーダーとしての地位を得ることができます。さらに、トレーディングコンテストに参加し、優れた成績を収めることで、プロップファームからのオファーを受けることも可能です。 

プロップトレーダーのまとめ 

プロップトレーダーは、プロップファームに所属し、その資金を運用するトレーダーを指します。欧米では既に多くの人々がプロップトレーダーとして活躍しており、その影響で日本でもこの職業への関心が高まっています。この職業に就くためには、高学歴や特定のキャリアは必須ではなく、長期的に利益を上げるトレード手法、メンタルの安定性、そして優れた資金管理スキルが求められます。 
収入は市場の動向や個々のパフォーマンスに左右されますが、特に大規模な資金を扱うトレーダーには高いリターンが期待でき、魅力的な選択肢と言えます。プロップトレーダーになるには、プロップファームへの就職が最も現実的な道となります。